不破哲三著「古典教室」

日本共産党の前議長で社会科学研究所所長、不破哲三さんの「古典教室」を勉強中です。
「古典」と言っても、別に不破さんが「源氏物語」を解説したというものではありません。

「古典」とはマルクスとエンゲルスによる一連の著作などを指す言葉で、この本は主にマルクスの資本論を平易な言葉でわかりやすく解説した本です。

この中の「労働力」と「搾取論」がとても興味深いのでご紹介したいと思います。

まず、「労働力」についてです。労働の価値はどうやって決まるのか。
労働の担い手である人間が一日じゅう働いてヘトヘトになり、次の日仕事に行けなくなったら労働力は再生産されません。
それでは雇い主が困るので、翌日も元気に働けるように衣食住が必要です。労働力を維持するための生活必需品、それが労働力の価値の中身になります。

しかし、労働者が一代で終わっては資本主義が発展していきません。
労働力を維持する費用の中には、家族を作って子どもを育て、子どもを一人前にできるような生活の保障が入ってきます。

さらに、労働力を発達させ技能を習得させることで、一定の価値が付加されることにもなります。つまり、特別な技能を持った労働者は価値が高くなる。商品経済の法則では、それらのことをすべて勘定に入れて労働力の価値が決まるということを、マルクスは説明しています。それが資本主義における労働力の価値の決め方だと。

さて、今の日本ではどうでしょうか。すべての労働者が果たしてその労働の価値に見合った賃金を得ているでしょうか。今、結婚して子どもを持つことができない、いわゆるワーキングプアという人が増えています。

一定の技能や資格を持ちながら非正規としてしか雇ってもらえず低賃金に甘んじている人も多いことでしょう。いま教育現場では教員の非正規化が進んでいると聞きます。

利益を追求するあまり労働者からの搾取が横行し、「労働力の再生産」ができなくなくなっては本末転倒。経済社会にとって必要な労働力が疲弊して効率を低下させ、さらには次世代を生み出しにくくなった結果が、今の「少子化」ではないでしょうか。

資本家としては本来、労働者が元気で働き、その労働の対価である賃金で商品を買って消費してくれるのが一番よいはずです。
しかし、今の行き過ぎた資本主義社会では、労働者は商品を買うお金にも乏しい上に休みや自由時間があまりに少ない。

6〜8時間働き、残りの時間は買い物や余暇でお金を使うのが理想的な姿のはずが、朝から晩まで働いてもちっとも楽にならない労働者が増えてしまっては、資本家は自分たちの首を自分たちで絞めていると言えるのではないでしょうか。

最近、「若者のクルマ離れ」と言われます。車を買ってほしければ労働者の賃金を上げ、非正規という不安定な雇用形態をなくしていけばいいと思います。それなのに労働者をどんどん非正規化し、経団連みずからが労働者を貧困に追い落としているのです。それでいて「人出不足」やら「クルマ離れ」だのを嘆いても、何をか言わんやです。

そして、ここからは搾取の秘密です。

ある労働者が6時間の労働の賃金で生活できるとします。彼は工場で賃金分の6時間働き、商品に6時間分の労働が生み出す価値を付加しました。
それで帰ってしまったら、資本家(雇い主)の手元にはなにも残りません。そこで、どれくらい働かせるかは労働力の買い手である自分が決めるとばかりに、資本家はさらに6時間よけいに働かせようとします。

つまり労働者は合計12時間働かされ、6時間のタダ働きをさせられたことになります。そして、資本家は6時間分の余剰の利益を得ることができます。この「剰余価値」が搾取の仕組みというわけです。

今日はここまでで、続きは後日。

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